筆耕に必要な毛筆の技術

筆耕という言葉は、文字を書いて収入を得る事です。文字に対しての対価を頂くので、文字にはそれだけの価値が必要です。最近の筆耕のお仕事は、決して毛筆だけではありません。ペン字で書かれる場合もあります。

 

しかし、ペン字専門の筆耕業者は見かけた事がありません。代筆屋はあっても、筆耕とは謳っていないのです。やはり、筆耕の場合はペン字はあくまでオプションであって、基本は毛筆なのです。ここでは筆耕に必要な毛筆の技術をご紹介します。

 

書道と言うと、書体がいくつもあります。一般的な方から、楷書、行書、隷書、草書、篆書、かな・・・。そんないくつもある書体の中で、筆耕のお仕事に必要な書体は楷書です。

 

実際に行書や隷書、草書も書けた方が仕事の幅が広ります。しかし、まずは楷書の習得が絶対条件になります。

 

文字の大きさ

 

楷書を正しい字形で書く事が第一条件となりますが、次に文字の大きさについて考えてみたいと思います。筆耕と言っても様々な業種があり、看板も筆耕の一種と考える事も出来ますが、ここでは賞状サイズ等の小さな文字について考えてみます。

 

筆耕のお仕事にとって、小さな文字を書く事が必ず必要となります。最もわかりやすいのが宛名書きです。

 

「宛名>住所>郵便番号>肩書」

 

これが差出人側、つまり裏面について考えるとどうでしょうか?更に封筒が小さなサイズの場合、書けるスペースは限られてきます。※肩書とは「代表取締役社長」など、宛名の上に乗る文字です。

 

小さな文字の場合は5mm角程度、もしくはそれ以下の文字も珍しくありません。筆耕のプロとして「差出人は書けません」とは言いたくありませんよね。

 

信用にもかかわりますので、何とか5mm角程度の小さな文字も書けるようにしたいところです。

 

小さな文字については、無理だと考える人が多いようです。しかし、慣れると書けるものです。僕自身がそうでした。練習すれば書けるようになりますし、筆耕の仕事をしているとクオリティも上がります。

 

これは慣れだと思います。しかし、これ以上小さくなると難しいと考えています。なぜなら、見えにくくなるからです。

 

 

縦長と扁平

 

文字の大きさと、もう一つ必要な技術が、文字を縦長に書いたり、扁平に書く応用力です。筆耕の文字の場合、決められたスペースに、決められた数の文字を入れなくてはいけません。

 

そうすると、縦長、扁平にならざるを得ない状況が生まれます。状況に応じて、最適な文字の形を書く事ができる応用力が必要なのです。

 

わかりやすい例で言うと、賞状です。賞状は縦書きと横書きがあります。主文と言われる本文は、文字数を多く詰め込む必要ができてきます。そうすると、縦書きなら扁平な文字、横書きなら縦長の文字が必要になるのです。

 

書体自体を変えてしまう訳ではありませんが、文字を長く書いてみたり、潰して書いてみたりする練習も有効です。

書状のお仕事より賞状のレイアウトについての画像

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