筆耕士に必要な技術はズバリ細楷です。細楷とは細字の楷書の事です。細楷の技術向上のためには練習が必要ですが、毎日地道な練習をするのって辛くないですか?実際に継続できる人って少ないと思います。ここでは、細楷の筆力を向上させる簡単な方法をご紹介します。
筆耕の業務は多岐にわたります。賞状や宛名書き等の細字だけではなく、選挙の為書きや垂れ幕などの大字もあります。
書道経験者であれば、大字への対応は比較的簡単かと思います。もちろん大きな筆への慣れや、様々なサイズの文字が書ける対応力も必要ですが、半紙サイズへの書道に慣れている方なら問題なく対応できるでしょう。
しかし、問題は細字です。しかも楷書、つまり細楷です。凛とした楷書は書道の基本ではありますが、意外にきちんと書ける人は多くありません。
小筆でもかなや行草は書けるのに、楷書になると書けなくなってしまう人は多いのです。
だからこそ、どうしても細楷の練習は必須になるのです。
筆力向上の方法はズバリ練習です。もちろん漠然とした練習ではなく、賞状書士や賞状技法士などのお手本を見て書くのがベストです。
ただ、毎日の練習って続きますか?なかなか大変ですよね。
『筆耕士を目指して毎日1時間練習するぞ!』と誓って、毎日実践できる人は尊敬に値します。少なくとも僕は無理です。
毎日の練習を誓って、そのまま実践できる人は、もうこのページは閉じていただいて結構です。ここから先は毎日練習するのが困難な人の為に贈る練習方法の紹介になります。
まず、毎日練習するのが困難だと感じている僕ですが、何故か毎日1時間以上練習しています。
何故でしょうか・・・?
毎日1時間の練習と言っても、細楷だけでなく古典の臨書や中字での練習、行書やペン字なども含みます。
つまり、今日は細楷、明日は王羲之の臨書、明後日はかな、次はペン字の手紙文・・・
こんな感じで毎日違うことをしているのです。こうすると飽きません。
でもね、それでも毎日続けるって大変なのです。そこで僕は次のようなルールを決めています。
とにかく、小筆でも大筆でも筆ペンでも万年筆でも何でもいいので、1文字練習するようにしているのです。
とにかく1文字書いて、気分が乗ってきたら2文字3文字と増やし、結果的に1時間以上練習するようにしているのです。
今は毎日1時間以上練習していますが、別に1文字で終わりでもOKだと、自分では思っているのです。
このように目標のハードルを下げると継続は簡単になります。
1日1文字ルールですが、結構バカになりません。
やはりほんの少しでも毎日継続して練習すると、筆力は確実に上がります。それは自分で体感できるレベルです。
僕は、賞状技法士の最高位1級を取得していますが、取得後の1か月後、2か月後・・・とドンドン上達していると感じます。そして、1級を取得したころの賞状を見ると赤面するくらい恥ずかしくなります。
結局は小さな習慣が僕の筆力を向上させているのです。
小さな習慣は細楷だけでなく、様々な分野でも実践可能です。
本当に微々たるものですが、これが想像以上に効力を発揮するので、心当たりがある人はぜひ挑戦してみてください。