まとめ

2013年に筆耕コムを開業して、10年が経過しようとしています。この間に、筆耕や書道、講師として様々な経験をしました。

 

2009年に日本賞状技法士協会で賞状の書き方を学びはじめ、2011年に開業に向けた準備を開始、2013年に見切り発車的な状況でスタートさせました。

 

今思えば、思い切ってスタートしてよかったと思います。何でも新しいことを始めるときは勇気が必要です。勇気を振り絞って、スタートさせた当時の自分を素直に称賛したいと思います。

 

 

技術の向上

 

2013年の筆耕コム開業当時の自分の技術は、今見たら目を覆いたくなるほど未熟でした。もちろん、当時の自分も自覚していたので、かなり焦りもありました。

 

でも、そのおかげで、とにかく練習して、技術を向上させていきました。開業前よりも開業後の方が、何倍も上達速度が速くなっています。やはり人間は必要に迫られると、やるのですね。

 

 

筆耕の知識

 

開業して知ったことですが、賞状技法士の勉強だけでは足りない事を知ります。つまり、筆耕には筆耕の技術や知識が必要ということです。

 

また、筆耕の知識や技術は年々変化もします。そんな筆耕の現場に即した指導は難しいのだと思います。

 

賞状技法士だけではありませんが、これらの組織はあくまで指導が中心です。伝統的な書き方を指導することが中心となります。

 

これは当然のことですが、即戦力の育成という部分では、ちょっと方向性が異なります。現役バリバリの筆耕士が指導すればいいのですが、それも難しいのでしょう。

 

実際に2021年~2022年6月まで、日本賞状技法士協会の運営に携わり、講師も行いましたが、まさに現役バリバリの筆耕士の指導でしたね。

 

しかし、指導にもどかしさを感じ短期間で退職。自分で即戦力の筆耕士を育成する事を決意し、通信講座を開講しました。

 

既存の賞状講座がダメということではありません。ただ、足りない部分があまりにも多いので、その部分を補う指導をしたかっただけなのです。

 

理想をいうなら、既存の賞状講座と並行して受講していただくとより上達して、筆耕士としての知識も身に付くことでしょう。

 

 

卒業証書の名入れ

 

筆耕コムの中心業務は『賞状全文』と『選挙関連』です。そして、その次が『卒業証書の名入れ』となります。

 

卒業証書は季節限定ですが、その時期は朝から晩まで書ているような大変な状況です。

 

今は一人では対応できないので、数名の筆耕士さんにお手伝いをお願いしています。

 

そんな卒業証書の依頼は全国からいただいています。それはとてもありがたい事なのですが、僕の持論としては「地元の学校は地元の筆耕士が書くべき」なのです。

 

やはり、地元に書ける人がいれば、その人が書くのが自然です。もちろんイレギュラーがあっても対応しやすいですしね。

 

しかし、実際は書ける人が極端に少ないのです。

 

日本全国には書道の先生、習字教室の先生が無数にいるはずです。それにも関わらず、書き手が不足しているのはとても不思議です。

 

ただ、筆耕というのは細字の楷書が前提です。細字の楷書は書道の中でも特殊な技術だったりするので、対応できないのかもしれません。

 

でも、習字の先生であれば書道の基本ができているので、細字の楷書は、道具への慣れだけだと思います。

 

僕は逆に、小筆は得意ですが、大筆に苦手意識を持っています。たぶん、その逆だけだと思うのです。

 

ぜひ、地元の学校の卒業証書の名入れを実践していただくためにも、習字の先生には少しだけ賞状の技術を学んでいただければと思います。

 

 

筆耕の仕事

 

ここまで、読み進めていただき、誠にありがとうございます。

 

これを読んでいる方は、少なからず筆耕の仕事に興味をお持ちの方でしょう。そして、書道の経験者、未経験者、様々いらっしゃるかと思います。

 

書道経験者であれば話は早いです。比較的短期間で筆耕の仕事に取り組むことができると思います。

 

書道未経験者であっても、自分次第で筆耕の仕事をすることができます。まさに僕がそうでした。

 

僕は小学校の時に、近所の習字教室に通っただけのド素人でした。ただ、僕の強みは『楽しめる』事にあったともいます。

 

書道の練習が楽しくて、筆耕の学習が楽しかったのです。

 

やはり、楽しく学習できることは上達への近道です。自分の中で「楽しい、楽しい」と暗示を掛けるのも効果的です。

 

どちらにしても、学習が苦しいのであればおすすめしません。

 

あくまで楽しく、自分の目標を掲げて、学習してみてください。

 

あなたの人生がより豊かに、より彩られる事をお祈りしています。